膀胱がんはおしっこをためる袋にできるがんで、血尿・排尿時痛・頻尿などの症状が見られます。
進展の具合(がんの根っこの深さ)から表在性・浸潤性・上皮内がんの3つに、さらに進行の早さ(がん細胞の見た目の悪さ)からグレード1(遅い)・2・3(早い)の3つに分けられます。
他の多くがんと同様、さまざまな要因が重なって発生しますが、特に喫煙者や化学薬品・染料を扱う方に多く見られる癌です。
通常がんに冒された臓器は手術で摘出したり、放射線で焼いたりするのが原則ですが、膀胱がなくなってしまうと排尿ができなくなり、日常生活に大きな障害となります。幸い表在性膀胱がんは、早期に削り取れば転移を起こしにくい性質がありますので、がんのところだけを内視鏡で削り取って膀胱を温存する治療(経尿道的手術)が一般的に行われています。
しかし、多くの方で再発をすることがあります。そこで手術後1ヶ月目に確認のための手術を行い、その後1~3ヶ月毎膀胱鏡検査を行ったり、尿の検査をして再発をチェックするのを、最低5年間続けます。
膀胱の中に薬を入れて再発を予防することもあります。また、稀に表在性から浸潤性に移行して膀胱を摘出したり、放射線をかけなければならなくなる場合もあります。
浸潤性の場合は、膀胱を全部切除し、尿の出口をおなかなどに出す大掛かりな手術や、放射線と抗がん剤を組み合わせる治療が必要となるので他院に紹介させていただきます。
上皮内がんは、子宮の上皮内がんなどと違い悪性度が非常に高いため、膀胱摘出手術やBCG(結核のワクチン)を膀胱内に注入して治療いたします。
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